ダンボール製作というと、小学校の自由研究(工作)をイメージするかもしれませんが、実は大人も楽しめる本格派の製作材料なのです。実際に全国各地で、大人によるダンボール製作の展覧会が開催されており、多くのお客さんを集め好評を博しています。
過去には、NHKの紅白歌合戦出場歌手が自分たちのライブで使用したダンボール作品を、製作展と称し発表したということも。県や市の博物館等で、企画展としてダンボール作品が並べたケースもあります。ですが、ダンボール製作は誰でも挑戦できる芸術活動であり、材料や道具はすぐに入手可能です。自宅で簡単に楽しめるダンボール製作、そのテクニックをご紹介しましょう。
1.ダンボールをゲット!
1-1.タダで入手
1-2.買うのもアリ
2.道具をチョイス!
2-1.必須アイテム
2-2.便利グッズ
2-3.製作キット
3.ダンボールをカッティング!
3-1.専用ハサミでチョキン
3-2.カッターでスイーッ
4.ダンボールをドッキング!
4-1.のり・ボンド
4-2.ホチキス打ち込み
4-3.プラスチックねじ
5.マル秘製作テクニック!
5-1.ダンボールの裏表
5-2.ベリッと剥がす
5-3.クイッと曲げる
まとめ
まずは、製作の材料となるダンボールを入手することから始めます。それほど大変なことではなく、皆さんの自宅に一枚や二枚は置いてあるのではないでしょうか?もしかするとコラムを読んだ直後に、ピンポーンとチャイムが鳴って宅配便が届き、その結果として梱包材となっているダンボールが手に入るかもしれません。
ダンボールは私たちにとって、とても身近な存在なのです。
ダンボールの入手法は様々であり、2019年3月掲載の本コラム「ダンボールと引っ越し、切っても切れない関係」にて、詳しく説明しています。引っ越し直後であれば大量にダンボールが残っているでしょうし、地元のスーパーやドラッグストア、もしくは大型家電店によっては、ダンボールを無料で配布しているケースもあります。ただし、ダンボールを多めにもらう場合は、数日前に予めスタッフへお願いしておくなど、営業の迷惑にならないようマナーを守ることが大切です。
製作展に出品したり芸術作品として飾ったりする場合は、新しくて綺麗なダンボールを購入することを検討しましょう。宅配便で届くダンボールは、広告効果を狙って企業名などがプリントされている場合が多く、製作した時に見た目が気になるかもしれません。
そこで、インターネット通販等で無地のダンボールを購入します。ダンボールの強度を指定できる販売会社もありますし、サイズも種類が豊富です。100円ショップで商品として見かけることもありますね。一般的なダンボールは茶色ですが、白色や他のカラーなどが塗られているものもあり、製作段階でカラーリングの手間が省けます。ホームセンターで購入するなら、製作道具も一緒に探しましょう。
材料であるダンボールが揃ったら、次は道具の選択です。自宅にハサミやカッターがあると思いますが、ダンボールカット専用の道具というのも存在しますので、継続して製作を楽しむのであれば、ここで揃えてしまうというのも一つの手。それでは具体的な製作道具を見ていきます。
ダンボールをカットするのに、ハサミやカッター(デザインカッター)は必需品です。そこで、ぜひご覧いただきたいのが、2017年10月掲載の本コラム「ダンボール製作に欠かせない!目からウロコの便利道具」。
1本で2つの使い方ができるコクヨ「ハサミ2Wayハコアケ」や、小さいノコギリのような長谷川刃物「段ボールのこ ダンちゃん」など、具体的な商品をご紹介しています。硬いダンボールを切るのに便利な、高硬度なハサミであるプラス「フィットカットカーブプレミアムチタン」もありますよ。インターネット通販で購入する際の参考にしてください。カッターを使用する場合は、床などを傷つけないようにカッターボードを用いますが、ダンボールで代用することも可能です。また、切れ味が悪くなると断面がギザギザになるため、カッター替刃も用意しておきましょう。
次に精密な製作をするために、正確な設計図が必要となります。大型の書店を訪れると、ダンボールもしくは厚紙の製作ブックが市販されています。主に子どもの本売り場にありますが、最近では大人の趣味コーナーでも見かけるようになりました。
もちろんインターネット通販でも購入できます。転写できるカーボン紙や、トレーシングペーパーでダンボールへ設計図を写していきますので、汚してしまうことを踏まえ、図書館で借りるより購入して使用することをおすすめします。転写する場合は、線が正しく写せるよう先が丸くなりにくいシャーペンを使うと良いでしょう。また、製作途中で必要となる接着剤については後述します。
あると便利なグッズを挙げていくと、あまりにも種類が多すぎてキリがありません。先ほどご紹介しました本コラムでも、折り目がつけやすいオルファ「ミシン目ロータリー」や、ダンボールにも使用できるレザークラフト用穴あけパンチ(ポンチ)などをピックアップしています。千枚通しも用意しておくと良いですね。
製作途中で活躍するのは、仮留めができるクリップやテープなど。カットする時にズレないようにすることが大切です。
ピンセットやペンチなどを片手に作業するというケースも出てくるでしょう。真っすぐ切るためには、スコヤという直角定規を使いますし、鉛筆ではなく先の尖った鉄筆があるとさらに便利。コンパスでも代用可能です。また、ラッカーや銀紙で色付けすることも想定しておきましょう。
色々と揃えるのは面倒!ということなら、市販の製作キットに頼ってみてはいかが?材料であるダンボールはもとより、専用の道具が付いている場合もあります。
例えばダンボールで作る時計には、針や駆動部分がセットになっており、本格派の製作作品に取り組めます。
それではいよいよ製作段階へと入っていきます。重要なのは正確にダンボールを切り分けること。ダンボールを大量に用意しているのなら、真っすぐにカットする練習をしておくと、後々安心して細かい作業に臨めます。
ダンボールは紙と紙と間に、ライナーと呼ばれる波状の紙が挟まれた3層構造。そのため意外と硬いので、製作専用のハサミを用いることをおすすめします。
作品の内側・裏側となる部分に、シャーペンで線を引き、それに沿って切るのですが、定規は厚めだと作業がしやすくなりますよ。線を引いた部分に鉄筆や千枚通しで、小さな穴を開けておけば、逸れることなくカットできます。一枚だけでも正確に切り出すことができれば、あとは重ねてカットしていけば良いのです。
細かい作業をするなら、ハサミだけでは限界が来ます。そこで登場するのがデザインカッター。使用したことがある人は分かると思いますが、意外と技術が必要でスーッと切るのは難しいです。
できるだけ新しく切れ味が良いものを使用し、刃の向きに注意しながら文字を書くようにスライドしていきます。切るというよりも、引くことをイメージしましょう。ですが、時には大胆に思い切ってカットすることも必要ですよ。市販のデザインカッターは刃の角度が30度・45度とありますので、慣れてきたら上手に使い分けてください。
いよいよ製作の醍醐味である組み立て段階。作品によって使用される接着剤は異なりますが、今回は主に3種類取り上げドッキングします。
製作定番の糊。もしくは紙にも使用可能な木工ボンドを使うという手もあります。ここでのポイントは塗り過ぎないこと。スポンジやスティックタイプの糊の場合、スーッと塗りたくなるところですが、点で塗っていくと程よく広がりますので、サイドに染み出すことがありません。手間はかかりますが、完成度を高めていくために必要なことです。
またテクニックの一つとして、断面の波状部分に糊やボンドを注入した上で、端の部分だけギュッと潰すと鋭く仕上がります。飛行機の翼など、鋭利なパーツが必要な時に活用してください。
ダンボールとダンボールを重ね合わせるのなら、ホチキスを打ち込んでみてはいかがでしょう。針の先に気を付けつつ作業をしてください。ちなみに自治体によりますが、基本的にダンボールや紙書類はホチキスを付けたままリサイクルへ出すことが可能です。これは紙を溶かす段階で、比重の重い金属のホチキスを分類できるから。製作した作品を捨てる場合も参考にしてください(各自治体の廃棄ルールを守りましょう)。
プラスチック製のネジを見たことはありますか?凸部分をダンボールに刺し貫通させることで、裏側から留めることができます。凸部分が貫通後、自動的に広がるといったものもありますので、その場合は留め具が不要になります。表面に見えている部分は、カラーリングしたり銀紙を貼ったりすることで目隠しをしましょう。
切る・貼るという工程を経てきましたので、ここでいくつか活用しやすいテクニックをご紹介します。
皆さんは、板ダンボールに表裏があることをご存じですか?あまり意識することはないと思われますが、表裏を見極めるには、よく表面を見つめてください。うっすらと線が浮き出て見える方が裏側となります。この線はライナーという波が紙に接地している部分です。
3層構造となっているダンボールは、裏側部分を剥がすと作業がしやすいです。切込みを入れてベリッと剥がすこともできますが、水に入れるとダンボールは浮きますので、剥がしたい裏面だけを水面側に浸しておけば、糊が溶け出して剥がしやすくなります。うっすらと透けて見える線に沿って剥がすと、綺麗にめくれていきますよ。
また放射状に切れ込みを入れ、剥がす→剥がさないと交互にしていけば、ある種の模様を作り出すことができます。さらに、両面を剥がし波状のライナーだけを使うことで、製作のパーツが一つ増えますよ。
ダンボールが3層構造であることを、まだまだ活用します。ダンボールを折り曲げたい時は、紙→波(ライナー)→紙のうち、片方の紙にだけスーッと線を入れることで、折り曲げやすくなるのです。ライナーや反対側の紙を傷つけないようにすることが、作品強度アップの秘訣です。
ダンボール製作、チャレンジしてみたくなりましたか?ラッカーで色を付ける際は、ダンボール内でスプレーをするといった工夫もでき、ダンボールは材料としてだけでなく道具としても活用できるのです。全体にニスを塗って光沢を出すなど、さらに完成度を高めていきましょう。各地で開催されている、ダンボール製作の展覧会へ出掛ける際は、その製作の仕方にも注目してみてください。
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