ダンボールとひとえに言いましても、様々な形状・タイプが存在します。だからこそ、あらゆるシチュエーションでダンボールは役立つのですが、今回はその種類を詳しく掘り下げていきたいと思います。本コラムをお読み頂くことで、きっと求めている形状のダンボールが見るかるはず。一般的な規格ダンボールからオーダータイプまで幅広くご紹介します。さらに、どのような業種で使用されているか実例も挙げていきます。
1.なじみ深い「みかん箱」タイプ
1-1.引越し業界で大活躍
1-2.輸送・工場内で便利な手穴付き
1-3.底面をテープで補強し通販で利用
1-4.ダブル構造の頑丈さで船・航空便に
2.小物から食品まで用途が幅広い「組み立て式タイプ」
2-1.学校や役所の書類保存に「底ワンタッチ型」
2-2.軽量タイプの商品に「アメリカンロック式」
2-3.みんな大好きデリバリーの「ピザ箱」
2-4.プレゼントにピッタリな「ワインケース」
3.出し入れが簡単な「上下差し込みタイプ」
3-1.機械部品メーカーの利用が多い
3-2.贈答用としても喜ばれる
3-3.大切なポスターを守る「ポスター型タイプ」
4.スポッと簡単に開け閉めできる「かぶせタイプ」
5.メール便の発送に使われる「ヤッコ式タイプ」
6.ダンボールカラーをカラフルに
7.各業種のオリジナリティ豊かなダンボール
まとめ
ダンボールと言えば、まずこの形状を思い浮かべるのではないでしょうか。いわゆる「みかん箱」であり、ダンボール業界では「A式」と呼ばれています。上部をパタンパタンと畳んでいき、最後の2枚を閉じたところでガムテープ等を使用し塞ぎます。
私たちの生活において「みかん箱」タイプのダンボールが活躍するのは「引越し」。最近では、引越し業者が使用済みダンボールを回収をしてくれることが多いものの、何年も経って未だに開かずのダンボールが納戸や押し入れに入っているというお宅も少なくないのでは?ダンボールなら、表面にマーカー等で品物名を直接明記できるので、管理しやすいというメリットがあります。
腰を痛めやすい人は、ダンボール箱の持ち方に注意を払いますよね。底を抱え込むように持った方が良いというケースもありますが、たくさんの量をスムーズに運ぶには手穴付きタイプが便利。人差し指から小指まで4本の指が内側へかかるようになっています。最初から穴が開いているものと、内側へ折り込むものそして後から抜き落とせるものなどがあります。手穴付きのダンボールは、工場内で部品等の持ち運び用や通い箱として使われることが多いです。
先ほど、上部をガムテープ等で塞ぐとご紹介しましたが、ダンボールの底面も中央・両サイドとしっかりテープで塞ぐことにより強度が高まります。お米10キログラムを通販で注文すると、ダンボールをテープ等で補強した形で届くことがありますよね。かつては金属等でクサビが打たれ、頑丈に仕立てられていたこともありますが、ダンボール解体に不便ですし紙のリサイクルを阻害してしまうので、最近はあまり見かけなくなりました。
ダンボールは厚紙と厚紙の間に、波のような形状をした紙が挟まっています。それにより強度を保っているのですが、これをダブル構造にすることで頑丈さが向上します。例えばワレモノであるガラス製品や、金属でサイズ以上に重さを感じる商品を大切に運搬できるのです。日本と外国間の輸出入において、船便や航空便に使われることもあります。
商品を大量生産および大量発送をする業界では、この組み立て式タイプが有用です。様々な形状・タイプが用意されているため、小物から食品まで幅広く使用されています。
ダンボールを組み立てていく過程で、自動的に底部分が閉じる仕組みの「底ワンタッチ型」。これなら次々と箱状に組み立てられますので、学校や役所など大量の書類を保存しなければならない時に便利です。普段は畳んだ状態でストックできますので、場所を取らずいつでも使用することができます。
「アメリカンロック式」とはシャレた名前ですね。底部分は4枚のパーツに分かれていて、これを組み立てていきます。左右2枚の先をひっかけて最後の1枚を中央に差し込むという形なので、そこまで強度がある訳ではありません。しかし、組み立てが簡単であることから化粧品など軽量タイプの小物を梱包するのに役立てられます。大量発送をしなければならない時は、テープ不要な「アメリカンロック式」が現場で活躍するのです。
もちろん食の好みはあるかと思いますが、デリバリーのピザを注文すると何だかパーティ気分になってワクワクしますよね。ここでもダンボールが登場します。そうです、ピザが入っているあの箱です。食べた後は箱を解体するでしょうから、これが「組み立て式タイプ」であることに納得して頂けることでしょう。
お酒好きの方なら、ワインボトルが入ったワインケースをプレゼントされたら嬉しいですよね。ワインを守る化粧箱はそのまま飾っても様になります。日本酒や焼酎というケースもありますが、いずれにせよガラス瓶であることが多いため、割れないように梱包しなければなりません。そこで酒屋等で利用されるのが「ワインケース」。中が二重になっていたり、クッションが入っていたりと様々な工夫が施されたタイプのダンボールです。
続いて「組み立て式タイプ」をご紹介します。キャラメル箱のようなものをイメージして頂きたいのですが、上部に折り目が付いていて、箱の内側へ差し込むような形で塞ぎます。これならテープがいらず、簡単に品物を収納できます。上部だけ差し込み式というタイプもありますよ。
精密関連の機械部品メーカーが「上下差し込みタイプ」を利用することが多く、パイプやシリンダー等を入れるのに比較的細長いダンボールが使われます。上部を差し込むことでロックされるため、部品等がこぼれ落ちる心配がありません。
テープで塞ぐようなダンボールでは、開封した時に表面のダンボールが破れてしまいがち。その点「上下差し込みタイプ」であれば、ほとんど箱を傷つけずに開封できます。そのため、美しい外装であれば小物入れとして再利用されることもあります。
美しい風景写真や憧れのアイドル、お気に入りのアニメなどのポスターみは、ほんの少しであっても折り目は付けたくないもの。その気持ち分かる!と深くうなずかれる方も多いことでしょう。薄いビニールに入れて販売されていることもありますが、ちょっとした衝撃でグニャリと曲がってしまう可能性も…。そこでポスター型タイプの長細いダンボールを利用しましょう。ポスターが中から出てこないよう、上部が差し込み式になっていれば安心です。
各地のお土産屋さんを巡っていると、「かぶせタイプ」の箱を使用したお菓子をよく見かけます。温泉まんじゅう程度であればダンボールを使用することもないのですが、大きめのスナック菓子であったり割れやすいお煎餅であったりすると、比較的衝撃に強いダンボールの「かぶせタイプ」が用いられます。旅先では持ち帰ることなく宅配便に依頼することが多いので、そのまま送れて便利ですね。
また、額縁を入れたり精密機器部品を区分けして収納したりする時にも、この「かぶせタイプ」が役立ちます。お弁当タイプと呼ばれることもあるので、そういう意味では私たちの生活になじみ深いですね。
最近では、雑誌等の本が郵便や宅配便ではなくメール便で届くことが増えました。ビニールに封入されているものもありますが、「ヤッコ式タイプ」のダンボールが使われることがよくあります。ヤッコ式と聞いて、どのような形状か思い浮かびますか?四方向から折り曲げて梱包していくものであり、薄く仕上がるのでサイズ区分・重量区分がある場合でも、配送料金等において安く上がる可能性が高いです。
CDやDVDを送るのにも使われるこの「ヤッコ式タイプ」。またの名を「タトウ式」と言います。あまり聞き慣れない呼び名かもしれませんが、知っていると何かの機会に役立つかもしれませんね。
ダンボールと言えば、あの茶色いカラーを思い出しますが、オーダータイプを利用すれば見栄えが素晴らしいカラーに仕上げることも可能です。外箱は商品にとって顔のようなもの。それがシンプルな色合いであれば店頭に並んでいても、あまり目を引きません。そこで好みのカラーを選ぶことによって、その商品に適したダンボールに仕上がります。ダンボールの形状・タイプだけでなく、そういった色の工夫を施すこともできるのです。タイプ・カラーの両方へこだわることで、印象深いダンボールが完成することでしょう。
最後にダンボールからの観点ではなく、各業種から見たダンボールの使い方をいくつか見ていきます。
服の生地というのは多種多様です。冬に着用する厚手のセーターや美しいシルクなどがあり、いずれも運搬中にヨレやシワができては困ります。生地としてはそれほど重さがないものの、ある程度固定できるジャストフィットしたダンボールがアパレル業界では求められます。型崩れしないよう、ハンガーが取り付けらているダンボールもありますよ。
花も生き物であり、大切に運ばなければなりません。花屋で使用されるダンボールには空気穴を開け、花にストレスがかからない状態にすることが大切です。また、運びやすいよう持ち手が付いていなければなりませんし、鉢植えであれば鉢の部分をしっかりと固定することが求められます。花は繊細ですから、そういった意味でもダンボールに気を配らなければなりません。
食品業界では1つの段ボール箱に複数の商品を入れます。しかし、運搬中にそれが崩れてしまっては販売できなくなる可能性がありますし、凹み等にも注意しなければなりません。そこで活躍するのが「仕切り」です。間に仕切りを入れることによって、商品同士がぶつかり合う心配がなくなります。板ダンボールやインナースリーブなどの仕切りを、オーダーで作成することも可能です。
様々な形状・タイプのダンボールがあることを、ご理解頂けたかと思います。用途に合わせ選択肢が豊富なダンボール、ぜひ生活や商売等に役立ててください。オーダー式であれば、希望の形状・タイプに沿ったダンボール箱を手に入れることができますよ。