野外アクティビティとして「キャンプはハードルが高い…」と思っていませんか?確かに本格的なキャンプをするのであれば、しっかりと道具を揃えなければなりませんし、ある程度の経験は必要となります。しかし知識を身につければ、誰でもキャンプを楽しむことができるのです。今回は、そのキャンプで大活躍するダンボールの使い方をたっぷりとご紹介します。
1.荷物は軽い方が良い!
2.キャンプの前に準備
2-1.大人数キャンプにおける「食材入れ」
2-2.安全性を高める「包丁サック」
2-3.「荷物分け」で次回の準備もスムーズ
3.キャンプ場に到着!
3-1.断熱性の高い「ダンボールテント」
3-2.「ダンボールベッド」で快適な寝床を確保
4.お楽しみのキャンプ飯
4-1.「ダンボールオーブン」でピザを焼く!
4-2.時間をかけて旨さアップ!「ダンボール燻製器」
キャンプはスポーティなアクティビティですが、野外で寝るなど普段は経験しない環境下となるので、体力が大幅に削られがち。マイカーで訪れたとしても、テントを設営するキャンプ場まで駐車場から長い距離を歩くというケースもありますので、荷物はできるだけ軽い方が良いのです。そこでダンボールを活用してみましょう。
ご存じの通りダンボールは紙製ですから、重量を気にする必要はありません。しかも箱に組み立てた状態であれば意外と頑丈であり、様々な用途で活かすことができます。ではキャンプの準備から帰途につくまでの流れに沿って、ダンボールの登場シーンを見ていきましょう。
何事においても準備は大切です。そこを疎かにしては、現場において楽しさが半減してしまう可能性も。さて、ここではどのようにダンボールが活躍するでしょうか。
まず、キャンプの大きな目玉イベントとなる料理。美味しいキャンプ飯が完成すれば満足度も高まっていきますよね。ソロキャンプ(単独で行う)であれば、それほど荷物が嵩張ることはありませんが、人数が増えれば増えるほど食材の量も多くなります。スーパーでキャベツなどの野菜を購入する際は、無料でもらえるダンボールに入れて持ち帰り、そのままキャンプ場に持って行ければ便利です。
野菜等の食材は予めカットしておくと良いのですが、やはり鮮度が落ちてしまいますので、キャンプ場に着いてから調理を始めたいもの。そこで、包丁を持っていく際に刃の部分をダンボールで覆っておくと安全性が高まります。専用のサックが付いていれば良いですが、大きめの包丁にはサックが付属していないことが多いです。
書類整理等でもダンボールが活用されている通り、荷物分けの際も適切なサイズのダンボールに用途別でキャンプ道具を入れておくと、準備がしやすくなります。帰宅した際も再びダンボールへ戻しておけば、次回のキャンプ準備もスムーズになるでしょう。
キャンプ場に着いて、まず取り掛からなければならないのは寝床の確保。自宅のフカフカ布団のようにはいきませんが、できるだけ快適なスペースを用意したいものです。最近では非力な人でも簡単に作れるワンタッチ式のテントもありますが、結構値段はお高めです。シーズンに何度もキャンプへ訪れるのであれば、思いって購入するのもアリですが、なかなか手を出しにくいですよね。
そこでダンボールテントというのはいかがでしょう。数日間に渡って行われる音楽フェスやイベントなどで使用されることもあるそうです。ダンボールは厚紙と厚紙の間に、波状の中芯が入っており強度は高めですし、断熱性にもすぐれています。たしかに大きめのダンボールが必要といったデメリットも挙げられますが、災害時に使用される段ボールベッドのようにコンパクトなものも今後増えていくことでしょう。
学生時代の学校行事でキャンプを経験した人はおそらく覚えていると思いますが、テントを敷く位置によっては地面の砂利などが体に当たってかなり痛い!ということがあります。真夜中にテントを移動させるというのは難しいですし、狭いテント内では寝られるスペースも限られています。そこでダンボールを下に敷くことにより、砂利や石などによる不快感を緩和できます。2枚・3枚と重ねておけば効果が高まり、地面からの冷気も遮断することもできます。
前提としてダンボールは紙製ですから火には弱いです。火事の危険性等をしっかりと考慮しながら、ダンボールをキャンプ飯作りへ安全に役立ててください。もちろん、子どもだけの調理では危険ですので、必ず大人が付くようにしましょう。
何とダンボールをオーブンに仕立てて、ピザを焼くということが可能です。一度切りの使い捨てにはなりますが、重たい調理器具を持っていくことを考えれば、かなりスマートな調理法となります。ダンボールを組み立てる際は、アルミテープを用いることをおすすめします。紙や布製のテープもダンボールと同様、熱に弱いからです。そして、ダンボール全ての面が見えなくなるようにアルミホイルを取り付けていきます。中に適切なサイズの網を設置し(アルミ缶等で網を支えても良いです)、下段に炭をセットして完成です。着火剤等を用いて火を付け、ピザを焼いていきます。
とても助かるのは、火をしっかりと消した後にダンボールの蓋(もちろんアルミで覆っています)をすることで予熱にて調理ができることです。他の料理を食べている間に、温かい状態をキープできるのも良いですね。ダンボールと竹串を組み合わせた「クラフトグリル」なども市販されています。
同じような要領で、ダンボールを使った燻製器に挑戦するキャンパーもいます。スモークチップを用意することで、香り高い燻製が完成するのです。チーズや卵、ハムの燻製などをキャンプ場で味わえるのは嬉しいもの。よく冷えた缶ビールにマッチしそうです。自宅では煙やニオイが気になって、なかなか手を出すことができなかった燻製も、キャンプ場ならチャレンジできるのではないでしょうか。
ここで注意すべき点は、直火禁止のキャンプ場が増えていますので、しっかりとルールに則って火気を使用した料理を行うことです。キャンプファイヤーのような直火をすると、地面が傷んでしまいますし火事の危険性もありますので、何事も安全が第一です。
組み立て式の机をキャンプ場に持ち込むのは大変。かといって、地面に料理を置くのはちょっと嫌ですよね。それならばダンボールをテーブル代わりにしましょう。キレイなテーブルカバーを敷けば、見た目も良くなります。テーブルカバーがない場合でも、ダンボールなら水分を吸収してくれますし汚れが広がりません。また、ダンボールの組み立て式テーブルが市販されていますので、何度もキャンプで利用する場合は購入を検討してみましょう。
テーブルがあるならチェアーも、ということでダンボールを椅子にチェンジ。そのまま座っても、きちんと底の部分をガムテープ等で補強しているのなら体重を支えることは可能です。またこちらも市販品でチェアーに組み立てられるダンボールが販売されていますよ。いずれの場合も、使用後は小さく畳むことができるため、マイカーで訪れているのであればトランクに収納しやすいですね。
キャンプ場で困るのがトイレの問題。キャンプ場の管理者から割り当てられたスペースが、トイレから離れているケースもあります。お酒を飲んでしまうとトイレが近くなりますが、草陰でというのは絶対してはいけませんので、ダンボール製ポータブルトイレを用意するのはいかがでしょう。ワゴン系の車であれば、後ろ座席を倒してトイレが設置できます。こちらも災害用などで使う簡易のトイレが入手できますので、いざという時にあると便利ですね。この場合、高吸収性のポリマーといった凝固剤も合わせて用意する必要があります。
さて、いよいよキャンプも終盤に近づいています。有料でゴミを引き取ってくれるキャンプ場もありますが、基本的には自宅へ持ち帰るつもりでいた方が良いです。この際に役立つのがダンボール製のゴミ箱。中にビニールを入れておいて、そのまま野菜くずなどを放り込んでおけば最後は封を可燃ごみに出してしまえば良いのです。土などで過度に汚れていたり油が染み込んでいたりする場合は、リサイクルの優等生であるダンボールといえども再利用は難しくなります。お住まいの自治体のルールに従って、キャンプから帰宅した後に処理を行いましょう。
もちろん、それほど汚れておらずリサイクルが可能と判断できるダンボールは一つに縛って資源ごみとして出しましょう。いつかリサイクルされて、再び私たちのキャンプにおいてダンボールが活躍してくれることでしょう。
最近では台風や地震などの災害で、避難生活を余儀なくされるケースが増えてきました。公民館や小学校においては、ある程度の避難グッズが用意されているとはいえ、自宅以外で寝たり生活したりというのは大きなストレスになってしまいます。
その際ダンボールを利用したキャンプをしたことがあれば、避難時にその経験が活きます。周りの人が考えつかないようなダンボールの使い方を披露できるでしょう。栃木県鹿沼市では「ダンボールで防災キャンプをしよう!」(市内小学生対象)という行事を自治体主導で開催したこともあります。こういった企画が各地で開催されるようになれば、キャンプに興味を持つ子どもたちも増え、今後の人生において大いに役立っていきます。
これまでキャンプの経験をしたことがない、という方はぜひダンボールを携えてキャンプ場へ出掛けてみましょう。今回ご紹介しましたダンボールの活用法以外にも、新たな発見があるかもしれません。野外での活動は想像力を刺激してくれるものです。