週末になると各地で様々な行事が開催されます。休日の家族サービスとして、両親が子ども連れで会場を訪れることも。ところが行事の内容に飽きてしまうと、小さな子どもたちがぐずり始めてしまいます。そこで重宝するのが子ども向けのイベント。ヒーローショーであったり、ジャグリングなどの大道芸であったり…。
今回はそのようなイベントの中で、ダンボール製巨大迷路に注目してみました。箱状の迷路の中へ潜入することができ、秘密基地のような感じでドキドキワクワクが止まりません。大人も一緒に中へ入れるサイズもあります。イベントとして人気の「ダンボール製巨大迷路」、その利点や特色について見ていきましょう。
1.ダンボール製巨大迷路とは?
1-1.ダンボールをジョイント
1-2.組み合わせで多数のルート
2.他イベントとの比較
2-1.お菓子・グッズ配布
2-2.ゆるキャラ登場
2-3.アート作品等の展示
3.巨大迷路が登場した事例
3-1ショッピングモール
3-2.ホテル&温浴施設
3-3.スポーツイベント
4.ダンボールを最大限に活用
4-1.手軽に制作可能
4-2.安全性が高い
4-3.解体・撤収も迅速
5.親子で楽しめる巨大迷路
5-1.シャッターチャンス!
5-2.靴を脱いで探検
6.耐久性の高いダンボール
6-1.常設可能でリピート使用
6-2.巨大迷路のレンタル
6-3.ダンボール製巨大迷路を注文
まずは、ダンボール製の巨大迷路がどのような遊具であるのかを紹介します。最大の特色は、実際に人間が中に入って遊べること。触れてはならない展示物では子どもたちが飽きてしまいますが、全身を使って存分に楽しめるダンボール製巨大迷路は魅力的です。
設置するスペースの大小によって使用するダンボールの枚数は異なりますが、複数のダンボールをジョイントし一つの巨大な迷路に仕上げていきます。ダンボールは畳まれた状態で届きますので、まずは箱状に組み立てることから始めます。箱の2面もしくは3面に大きな穴が開いていて、そこを通路として迷路にしていくのです。
業者によって仕様は異なりますが、ダンボール同士はガムテープ等でつなぎ合わせるのではなく、プラスチック製のジョイントパーツを用います。もちろんカッターやハサミも必要ありませんので、安全に組み立てることが可能です。小さい迷路なら25マスほど、巨大なものになると200マス以上に拡張していきます。
基本的には説明書通りにジョイントしていきますが、2面もしくは3面穴が開いているダンボールを上手につなげていけば、複数のルートを設定できます。ダンボールはかなり頑丈で繰り返し使えるため、組み上げるたびに異なるルートにするというのも面白いでしょう。主に子どもたちが遊ぶ場合は、年齢に合わせて難易度を変えるということもできます。
なぜダンボール製の巨大迷路が、各地で人気イベントとして活用されているのでしょうか。他のイベントと比較しながら具体的に説明しましょう。
お菓子やグッズを来場者に配布するとします。その場合には、ある程度の在庫数を確保しておかなければなりません。来場者の見込み数を考えるだけでも大変ですし、品切れになるというのは最悪の事態です。その点、迷路であれば時間が許す限り来場者全員が楽しめます。
次に、最近流行りの「ゆるキャラ着ぐるみ」を用意したとします。その場合、子どもたちが近くで触れ合えたり写真撮影をできたりするのは良いのですが、多くの人々が集まってしまうと順番がまわってきません。着ぐるみの「中の人」も休憩を取らねばならず、隙間時間が生まれてしまいます。ですが、迷路なら複数の係員が交代で担当すれば、常に稼働できます。
立派なアート作品を展示するというのも、よく見かけるイベントの一つです。たしかに作品としては素晴らしいのですが、一般的には手を触れることは禁止されており、遠くから見ているだけになりがちです。しかし迷路であれば体を思いっきり動かすことができるので、子どもたちが飽きにくいかと思います。
ダンボール製の巨大迷路をイベントで採用した事例はたくさんあります。本コラムの読者の中には、実際に目にしたという経験がある方も少なくないでしょう。時には、巨大迷路を主役としてイベントを開催するケースもあります。今回は、いずれも2019年に開催されたダンボール迷路イベントをご紹介します。下記の他にも、学校や自治体の行事などに活用されています。
週末にたくさんの家族連れが訪れる地域のショッピングモール。多くのモールではイベントスペースが設けられており、そこを活用してダンボール製巨大迷路を設置します。愛知県長久手市の「イオンモール長久手」では、東海テレビなどが主催となって「ダンボール迷路から脱出!!」を2019年3月に開催しました。100マスの巨大迷路であり、その他にもダンボール製の滑り台やボウリングなども用意されました。
静岡県伊東市にあります「大江戸温泉物語 伊東温泉ホテルニュー岡部」でも、館内イベントの一つとしてダンボール迷路が設置されました。2019年7月~8月の約1か月に渡り実施されていましたので、夏休みの旅行で訪れた家族連れにピッタリなイベントでした。
サッカーJリーグのファン感謝デーなどのイベントとしてダンボール迷路が用いられることも。サッカー好きの元気いっぱいな子どもたちが集まりますので、体を存分に動かせる迷路はとても喜ばれるのです。
また、競馬場や競輪場、そしてオートレースやボートレース会場でも、よくイベントが開かれています。大人は賭け事がメインですが、子どもたちも遊びたい!ということで、群馬県桐生市の「ボートレース桐生」にて2019年9月に開催された「ドラキリュウファミリーフェス」で、ダンボール迷路が登場。こちらは、3歳以上小学生以下という年齢制限が設けられました。
ダンボールと巨大迷路、この組み合わせは両者の特色を最大限に活用することができます。イベント主催者側としても、使用できるスペースの利用時間は限られていますので、スムーズに制作および撤収できることが大切なのです。
ダンボールの魅力の一つ、それはとても軽いこと。移動するのも簡単ですし、畳んだ状態で保管することができ省スペースが実現可能です。特にスペースが自社持ちではなくレンタルするのであれば、直前に運び込むことになりますしパーツの保管場所も限られますので、ダンボールであることが大いに役立ちます。
何よりも子どもたちが安全に遊べることが、イベントにおいて最も重要な事項です。ケガが発生するとイベント中止も考えられますので、安全性が高いことが求められるのです。その点、ダンボールであれば倒れてきても押しつぶされることはありませんし、ぶつかっても大ケガを負うことは考えにくいです。
また業者によっては、穴を開けた部分の切り口を滑らかにしたり、角を少なくするといった工夫が見られます。さらに消防法を考慮して、ダンボールの高さを1メートル程度にとどめるなど、子どもたちが窒息しないようにするといったことも考えられているのです。
子どもたちの運動会に保護者として参加し手伝ったことがある方は分かると思いますが、撤収を迅速に行わなくてはなりません。テントの解体や撤収はスピーディに終えなくてはならないのです。
それと同じで、ダンボール迷路のイベント会場も閉鎖時間が決められているでしょうし、スタッフの就業時間も限られていますので、すぐにダンボールを撤収する必要があります。ダンボールはジョイントパーツを外し畳むだけという効率の良さから、力を合わせればほんの数分で片付けられます。
休日に親子で遊べるというのは嬉しいもの。ダンボール製の巨大迷路は、子どもたちが一度中に入ってしまったらそれきりかと思いきや、実は大人も楽しめるのです。
前述のようにダンボール製の巨大迷路は上部が開放された状態で、高さが1メートルほどですから、上から子どもたちの様子を見守ることができます。迷路の途中で泣いてしまったら、すぐに助け出すことも可能。また、迷路の上から写真撮影ができますし、外周のダンボール面に窓・覗き穴が付いていれば、そこから子どもが顔を出した瞬間がシャッターチャンスです。
ダンボール製の迷路で楽しく遊んでもらうには、中が綺麗でなくてはなりません。そこで多くの場合、スタート時点で靴を脱いでもらうことになります。比較的背が高い子どもであれば、ハイハイのような状態で進みますので、泥汚れなどがあってはならないのです。つまり服を汚すこともなく、転んだりもしにくいダンボール迷路は、とても理想的な遊具と言えるでしょう。
ダンボールは紙製ですが思いのほか頑丈であることは、これまでのコラムにてご理解いただけると思います。ダンボール迷路では2~3か月常設しているという場所もありますし、数日の常設を数十回繰り返したという事例もあるそうです。一度きりのイベントと割り切ってしまうのであれば、ダンボールの表面に子どもたちが自由に絵を描くというのも楽しそうですね。
耐久性の高いダンボールですから、レンタルを実施している業者もあります。一日限りのイベント・お祭りなどでは、こういったレンタル品でも十分に役割を果たしてくれることでしょう。撤収も簡単ですから、業者への返却もスムーズです。
ダンボール製巨大迷路の発注方法ですが、業者によって異なりますので一概には言えません。ある業者では、問い合わせ・見積りと進む過程で、ダンボールの個数に合わせ迷路経路図を作成してくれます。その内容で問題がなければ受注生産という形でダンボールが製造され、会場へ発送という流れになります。イベントを主催することがあれば、一度検討してみたいものです。
魅力満載のダンボール製巨大迷路、いかがでしたでしょうか。ダンボールの特色が有効に活用されているように思います。今後も各地のイベント会場でダンボール製巨大迷路を見かけることでしょう。大人も参加可能であれば、ぜひ迷路を探検してみてください。